珈琲屋の当たり前②

ご自宅でも最高の珈琲をお楽しみいただく為に焙煎珈琲豆の販売をさせていただいている。

 

珈琲が文化として意識されるようになってから増えたのが、焙煎したてを強調する、オーダーを受けてから少量でも直ぐに焼ける電動手回し焙煎器で焙煎し(珈琲焙煎には全く適さない)、焼き立て豆を販売する店舗や、イベント的に焙煎直売をするホームロースタリー。

商売として何か違ったことで引き寄せたいという狙いは分かるけど、珈琲にとっては言語道断。

大手コーヒーメーカーのように焙煎即出荷をするための特別な冷却装置を持っているならいざ知らず、街中のホームロースタリーがそんな機械を持っている筈もない。

焙煎した豆を芯まで冷却するためには約8時間かかる。焼き立てを購入しご自宅でキャニスターに入れたら、豆の熱で湿気が発生し一気に酸化していく。

完璧に熱を取り、香りと味がきちんと乗るようにエイジングした後に販売するのが当たり前で、焙煎技術もそうだが、このエイジング技術の差が味の差になり、鮮度維持期間の差にもつながる。

もしこのような焙煎直後の豆を購入したら3日程度で飲み切るようにした方がいい。

 

もうひとつ

焙煎した珈琲豆は蛍光灯の光さえ嫌う。その程度の光量でも酸化する。

よく透明の販売ケースに入れ如何にも珈琲豆の販売店といった雰囲気を出そうとしている店があるが、蛍光灯の光でさえ嫌う珈琲豆が店舗正面から射し込む太陽光に耐えられる筈がない。たとえ僅かでも。

焙煎当日に売り切るのなら別としてそのケースの中に入れ1週間も販売していたら購入した時にはすでに豆は酸化している。

 

商売だけ熱心でロースターが一番にやるべき最高の味をお届けするという思想がないロースタリーはどうも。

別に批判するつもりもないが、珈琲の世界からは引いていただきたいと願う。

じゃないと珈琲カルチャーは絶対育たない。