
アメリカに生息する日本では絶滅しているオオカミと犬の間に位置付けられる動物。
群れで生息しファミリーの絆が強いが家畜やペットを襲う害獣として扱われている。
さて、珈琲のお話。
近年、ベトナムの大減産から始まり、生産国全体に減産が拡大していることと、紛争や為替相場など含め異常な値上がりをしているが、実はこの現象、日本の米の値上がりによく似ている。
変化というのは金儲けの大チャンスであり、虎視眈々とそのチャンスを狙っているやからはどの国にもいる。
インバウンド需要増で米が足りなくなり始めた瞬間を見計らい、どこかの組織が買い漁って猛烈な値上がりの引き金になったのと同じで、珈琲もコヨーテと呼ばれる仲買業者があちこちの生産国に入り込み札束で買い占めていく煽りを受け、一般供給される豆が減り、とんでもない値上がりになっている。物の価格というのは価値以上に需給量のバランスで変わるので、当然買い占めた者勝ち。
そこに来て、今年の中南米は天候が悪く、グァテマラのトップスペシャルティ珈琲の産地であるアンティグアは例年の3割ほどの収穫量まで落ち込んだ。とっくに察知していたコヨーテが買い漁り、今年の収穫豆の日本への供給はファームによってはゼロになった。供給可能な豆もまたか!?と呆れるほどの値上がり。
日本からオオカミが絶滅し、残念ながらコヨーテになれる日本人も現れていない。
もう我々ホームロースタリーにはなす術もない。
ファームを固定してしまうと供給できる珈琲が限られてしまうので、スペシャルティにこだわりながらもファームは柔軟に変えていくしかない。
しばらくはこの状況が続くと思う。本当に残念なことだが、今後もロースターとして一切の妥協無く最高の珈琲をお届けしたいと深く思う。